プロダクト · 2026年8月26日
AI専門家が哲学者に転身:人間的判断がAI時代の鍵に
AI専門家で技術最高責任者(CTO)のラルス・エルレンド・レガンガー氏は、人工知能(AI)の倫理的課題に対応するため、哲学修士課程への進学を計画している。同氏はPwCの法律事業部門でCTOを務め、2014年から機械学習とAIの分野で活動してきた。
レガンガー氏は、AIが社会のさまざまな分野に浸透するにつれ、人文科学的な能力がますます重要になると指摘する。例えば、自動運転車が衝突回避の判断を下す際に、どの倫理基準を適用するかという問題が生じる。同氏は、AIが人間の意思決定に関わるようになると、倫理的・哲学的概念を正確に理解し説明する能力が不可欠になると述べている。
同氏はまた、AIモデルの開発において「公平性」の定義が重要な課題になると指摘する。例えば、自動車保険の料金設定において、若年層の男性が女性よりも高額な保険料を支払うリスク統計に基づく公平性と、性別に関係なく同一の保険料を設定する公平性のどちらを採用すべきかという問題が挙げられる。
米国の主要AI研究所(OpenAIやAnthropicなど)では、言語モデルの倫理的トレーニングのために哲学者を採用する動きが見られるが、ノルウェーの企業では依然として技術的専門知識が重視されている。レガンガー氏は、ノルウェーではAIの「利用者」としての役割が中心であり、米国ほど哲学者の需要は高まらないとの見方を示す。
同氏はまた、AIの普及に伴い、特定の専門知識を持たない若手コンサルタントの仕事がAIに代替される可能性を指摘する。その一方で、教育学や教授法などの実践的な人文科学分野は、AIツールの学習方法との類似性から引き続き重要性を保つとの見解を示す。
E24によると、ノルウェーの企業ではAIの倫理的課題に対する取り組みがまだ広く浸透していないものの、今後AIの意思決定への統合が進むにつれ、こうした課題への対応が求められるようになると予想される。